日本煎茶の祖 永谷宗円

宗円の新製煎茶

永谷宗円生家内部製茶場(焙炉)助炭の上で手で揉む技術は、従来の釜炒り工程やムシロの上で行っていた揉捻とは大きく異なり、飛躍的に進歩・改良されており、宗円の最も苦心した部分と思われる。

従来の煎じ茶でのムシロの上で揉んだり、天日乾燥という方法では、揉む工程と乾燥工程が別々で、茶葉の水分の調節が難しく、水分が多くてぐしゃついたり、表面だけ乾燥が進みすぎる上乾き、葉が蒸れるなど品質を劣化させていたと思われる。また、ムシロ臭や日向(ひなた)臭などが、茶本来の香りを損ねていたと思われる。

宗円は、蒸した茶の葉を焙炉上に架した助炭の上で揉みながら一定の速さで乾燥を進める「恒率乾燥」の揉み方を編み出すことにより、お茶本来の色、香味を引き出すことができたのである。

製品の形は針状に細くよれ、色沢は鮮やかな濃緑色、水色(すいしょく)は澄んだ黄緑色で、適度の渋み、苦みに、旨味、甘味が調和した、形、色、香味ともに優れた煎茶を作り出したのである。この新製品は後に色沢や水色の特徴から「青製煎茶」、発祥の地から「宇治製煎茶」 と呼ばれるようになった。


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